CHUFF!! チャフで行こうよ。

もう、何でもありです。ヒマつぶしにどうぞ。

CHUFF!!ってのは、「おっ、なんかいいよね!」って意味です。チャフっていきましょうよ!

リアル深夜食堂 その2

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その1はこちら

 

やがて少年たちも成長し、

少しばかりのお金なら財布にあるようになります。

 

そうすると、なんというか、

申し訳ない気持ちになってくるんです。

 


やがて少年達は、正当に食べた分だけの料金を払い始めます。

主は以前と同じように接してくれます。

 

不思議とその店の中で小競り合いや喧嘩はありませんでした。

皆ニコニコしながら、

馬鹿話をしながら腹を満たしていただけでした。

 

 

ある晩、その店に行った時、

私より10歳くらいは年かさの男性がおりました。

主にこう言っておりました。


「まだガキどもにただ飯くわしてやってんのか?」


主はニコニコして、曖昧な表情です。

そして、その男性は、その場にいた私たちに怒鳴るようにいいました。

 

「よし、今日は店のおごりは期待すんな。

俺がおごってやるから、ちゃんと食った分だけ言え」


なんというか、怒鳴り声のようなのに、

何とも言えない優しい空気がその場に流れていました。

きっと、その男も、

元々は食い逃げをしていた少年であったはずです。

まだその街に活気があった頃の話ですから、

そのおかげかもしれません。

 

 

でも、それだけじゃない。

何か奇跡のようなものの、

或る一つの形があの店の中に、

あったんじゃないでしょうか。


ささくれ立った少年たちは、確かにあの店で腹を満たしてもらったのです。

それは空腹を埋めたのではなく、

あの空気が、私たちの心としか呼べないもの、

を埋めてくれていたのだと思います。

 

そういう大人がいたわけです。

私の世代はそれに甘えさせてもらえました。

私が育った街は、基本的には暴力に支配された街でした。

それは今も昔も、そしてこれからも変わらないでしょう。

そういう街なのですから。

 

 

信じる者と書いて「儲ける」。

私の記憶では、

その店はいつも客が入っていました。

今から思うと、本当のタフさというのは、

そういうものかもしれません。

そこで自問するのです、

「お前はあの主のようにタフか?」


そうなれません。

でも、そうありたいといつも思っています。

ご主人、それもあなたのおかげです。

少年を大人にしてくれる、

何かそういうものが深夜の食堂に確かにあった。

そういうお話でございます。

 

  

 

(なんだなんだ、回顧厨かよってか?へへん、羨ましいだろ?だったら、クリック!)

 

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