美なんていうのは、狐つきみたいなものだ。
空中をふわふわ浮いている夢にすぎない。
ただ、美しいものがあるだけだ。
こういうことを言って、誰にも責められない男。
白洲正子の永遠の憧れ。
どうです、すごくないですか?
白洲正子をご存じない?
あの、白洲次郎の奥さんですよ!
通産省の生みの親。
GHQと対等に戦った日本人。
「君は英語が得意だね?」とアメリカ人将校に言われ、
「あなたの英語もお上手ですよ、少し訛がりますけど」と言い返した男。
まあ、好きな人多いですよね、白洲次郎。
その彼が
「俺は白洲次郎として褒めてもらいたいわけじゃない。正子の亭主をずっとやれてるところは、褒めてもらいたいわけだ」
と言ったわけです。
それが白洲正子。
「白洲好み」と言われるジャンルさえつくった、完全無欠の女王様でございます。
それもそのはず、遠くは宮家の血を引く家系。
才色に溢れ、白洲次郎ごときは、鼻にもかけない。
この人の一言で、相場が動くと言われた女傑です。
さて、その女傑が慕い続けた男、
それが青山二郎です。
この人を説明するのは難しいですね。
有名なところでは、朝鮮の李朝の白磁は彼の「作品」と呼んでもいいくらいです。
今の日本の「骨董界」を構築したと言っても良いでしょう。
彼が認めるまで、「朝鮮物」と呼ばれた民芸品である白磁は、
全く価値がなかったのです。
彼が作り出した「価値」なのです。
簡単に言うと、彼がまず二束三文で買い占め、
その美を褒め称える。
でも市場にはないので、どんどん暴騰する。
そこで売り逃げる。
一時期は、家一軒分で、やっと水差し一つ。
今は、同じものが、だいたい20〜30万円もしません。
こういうことを、若いときからずっとやってきて、
別に金に困ることもなかった男なわけです。
だれか友人から、ぐい呑を借りて帰る。
そして返さない。
返せ返せ、と言うと、元の持ち主に
「じゃあ、買え!」となるわけです。
しかも、とんでもない値段で。
また、相手も買うんですね。
「あの青山二郎が手元においた一品」
というだけで、とんでもなく価値が出るのです。
どういう人かは、こちらをお読みになったほうがいいかと思います。
山師ってわけじゃない。
元々、お金持ちのボンボンです。
お金のためでもなきゃ、名誉でもなさそう。
わたしねえ、この人好きですよ。
そうですねえ、肩を並べられるのは誰でしょう。
笹川良一くらいじゃないでしょうか。怪物具合で行くと。
なに?笹川良一をご存じない?
それはいけませんねえ。
わたしが、一番すげえなと思うのは、あの川島芳子とヤッタってことですね!
もうね、なんというか、世界史的な登場人物の、
愛欲と闘争の世界の住人ですよ。
青山二郎は、そのレベルの人なんですよね。
まだ、分からない?
うーん、じゃあ、またそのうちに。
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