よく道を尋ねられる。
ある種の特技と言えなくもない。
ここまで書いて来客。
「アフリカの貧しい子供たちに御寄付を」と。
いきなり血まみれの子供の写真。
お前はバカか?
常識に乗っ取って無礼にドアを閉める。
本筋に戻る。
日本でもそうなのだが、外国の地でもよくある。
アジアでも、ヨーロッパでも、アメリカでも。
他の土地には行ったことがないので何とも言えないんだけど、
まあ、多分同じ事あると思うんですよ。
一番ぶったまげたのは、ロス・アンゼルス郊外のガソリンスタンド。
俺はミシータちゃんという友だちと一緒だった。
彼女が中で何かを買い物しているときのこと。
身長190,体重100キロオーバーな黒人が近づいてきた。
オークレーのサングラス、
入れ墨だらけの丸太のような腕、
ラップガンガンの車から出て、
俺を睨みつけて下りてくる。
そしてきわめつけは片手にバット。
野球一緒にどう?じゃあねえよなあ
と脳内で思う。
風で翻ったダブダブのシャツから見えるのは、
しっかりと弾のこもってそうな、どう見てもいわゆる
9mmオートマティック!
ガスを入れてる俺に
Excuse me Mr. !Let me know the famous gangster around here!
丁寧な口調。それは褒めてやる。
でもな、なんで俺が地回りのギャング知ってると思うんだ?
って、お前これから何しに行くンだ?
って、お前どこに行くつもりだったの?
俺が
Sorry , I am a stranger here」
と答えると、
You too? Yeah, me too! HAHAHAHA!!!!
だから何なんだよ!
そして彼は
Thank you!
Thank you , Mr ! Have a nice day !
と去っていった。
それぞれ、人には事情があるのだ。
彼にはきっと、彼なりの事情があるのだ。
なんだか、友達になれそうな気がしたけど、
単にハッパかなんかで、ハイになってただけなんだろうな。
できれば彼と野球をしたかったが、
手にバットをもつには、彼にはちがう理由があるのだろう。
その理由は、できれば知りたくないし、
もちろん、望んでも知る事はできない。
事情と言うものが、街の通りごとにあったり、
ブロックごとにあったりするんだろう。
ここはアメリカだ。
(そっと、あちこちクリックいただけたら、光栄です)