煎茶を語れ!
煎茶と玉露の違いをご存知ですか?
あれね、木の種類は同じで、育成時の日光の量がちがうだけなんです。
市松模様の網をかけて、日光を50%に下げて育成したのが、玉露。
光が少ないので、お茶の木が、ヤバいヤバいと頑張るわけです。
結果、様々な成分を過剰に溜め込みます。
まあ、簡単に言うと「味が濃くなる」わけです。
手間がかかり、当然コストも高くなる。
お茶を出すお湯の温度は、高級になればなるほど下がります。
水で出す場合もあるんですよ。
そんな高級玉露を熱いお湯で出すと、もう出汁に近い味がします。
いっぽうの煎茶。
青天で、しっかりお日様サンサンと浴びたお茶です。
幾分高めの湯音でだします。といっても70度~80度くらいでしょうけれど、
素直な良い娘さんって感じの、スッと甘いくせのない世界です。
ふつうは幾分お安いはずです、玉露よりは。
しかし、上の写真のお茶。煎茶です。
これも前回の「夏には玉露」で書きました、
放香堂さんの「鳳齢」と同じお値段です。
つまり、5400円!です。
こう、ぐっと高級感ありますでしょ?
クラクラしますね。
「あの気さくなネエチャンが、あのお屋敷のお嬢ってか?」
みたいな感じのね。
あるんですよ、そういう世界が。
玉露と同時に、この煎茶についても語る必要がありますね。
玉露というお茶は、上記のとおり、いろいろ濃いわけです。
この風味に対して、苦手意識を持つ人は少なくありません。
それに対し、煎茶はスッと入る素直なものです。
通常、日本の「お茶」としてイメージされるものだとお考え下さい。
では、なぜに、こんな高い値段のお茶を飲むのでしょう。
いい茶葉には、様々な使い道があります。
前回お話ししたように、単価計算すると、
コンビニお茶と同じくらいなんですけどね。
まあ、普通は、躊躇しますよね。
でもね、居酒屋さんとかで、一回いくら払うんでしょう。
まあ、千円では足りないでしょうね。
それ考えたら、そう悪くはないと思いますよ。
このへんは価値観と言えるかもしれませんけど、
一杯のお茶に賭ける意気込みで、世界は楽しくもなるものです。
そうでなければ、信長とかのお茶への傾倒を、
分からないような気もしますけどね。
そんなことを、考えさせる力は、煎茶ですかね。
今後は茶葉を使った、料理、一品、おつまみ、
などのレシピも上げて行きますね。
大抵貧しいのは財布ではなく、その心根である。
エマニュエル ・カント
(つづく)
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